「春心 本醸造 しぼりたて生」を飲む(西出酒造・石川県小松市)
例によってたみやのやつ。
僕の中ではかなりレアな酒
実はたみや以外で売ってるの見たことないです。
小松市の西出酒造ってところが造ってるんですが、実はここは経営難的なアレで平成8年から26年まで金紋酒造って名前だったらしいです。
所謂、蔵が他の方の手に渡っていた状況やったんですが、熱意ある元の西出酒造の関係者の方が再度蔵を買い戻した、という経緯があったとのこと。
そういう経緯である意味新しい蔵元なわけで、まだまだ販売先等も発展段階なのかもしれませんね。
ちなみに、ラベルをパッと見ても読めないかもしれませんが、「春心(はるごころ)」と書いてあります。
わかりますわかります。
「春」がどうみても「春」じゃないですもんね。
一言でいえば、旨キレ
無色、にごりなし。
なんせ生酒で冷蔵保存ですので、そのまま冷酒でいただきます。
ほのかに生酒っぽい、新酒っぽい香り。
飲んでみると、生系のパンチのあと、サクッとキレる。
すっぱり。
おそらく酸が良い働きをしているのだろう思われますが、酸が主張しているという感じはない(酸っぱくはない)。
そして旨味がくる。
なるほどこれは美味しい酒ですね。
変に尖ったり主張したりせず、米の旨味を中心にドカン、そしてキレる。
潔い酒です。
でもあとからラベルを見てビックリ。
アルコール分は18%もありました。
そこまで強いパンチがある味わいじゃないし、キレが良いからわからなかった。
しかし、「18度」の部分だけシール張りしてあるところとか地域の小さい蔵の手作り感が伝わってきて良いですね。
燗にしたらワイルド系の旨酸酒に様変わり
まあ、例のごとくレンチンですけどね。
温度があがったらビックリ、冷酒とは全然別の顔になりました。
穀物的な甘い香りが漂います。
そして味。
旨味がブワァーになりました。
酸も出てきて、結構酸っぱくもなりました。
文句なしにこれは美味しい。
いや、うめぇ!
買ったらいいと思う
冷酒と燗で全然違う味わいで、どっちも美味しい。
冷や、いわゆる常温は試してないんやけど、価格もお手頃(4合瓶で1,100円弱)やし、とりあえず飲んだことない人は一回飲んでみたらいいんじゃないでしょうか。
ちなみになんですが、この西出酒造で杜氏を務める西出裕恒さんは、かの有名な日本酒の神様「農口尚彦」氏が加賀市の鹿野酒造(銘柄:常きげん)で杜氏を務めているときに、その元で修行したそうですよ。
なるほど上手なこの酸の効かせかたといい、キレといい、石川県の将来を担う若手の台頭を期待させますね。
とりあえず生酒でないレギュラーライン(火入れ)も飲んでみたいですね。
おしまい。