書いとかないと忘れちゃう。




スモーキーに生きる

 

ほら、ウイスキー飲む人って、中にはスモーキーなのが好きとか言う人がおるじゃないですか。

スモーキーっていうとちょっとオシャレですけど、まあ結局「ケムリ臭い」ってことなんですよね。

 

ケムリ臭いお酒が飲みたい?

そんな人はこれをどうぞ。

 

日本酒の直火熱燗です。

もっとわかりやすく言うと、焚火で炙って温めた日本酒です。

ここでポイントなのは、炭火ではなく焚火だということです。 

ほら、バーベキューとかで炭を燃やしてもあんまりケムリ出ないですよね。

でも、焚火って薪(炭化してない木)を燃やすので、薪のコンディションによっては結構ケムリが出るんですよ。

というか、基本的に焚火はケムリ出るんです、しかも結構。

 

そんな焚火の炎で日本酒を入れた容器を直接炙る。

なんせ炎で直接温めますので、すぐ温まります。

そしたらね、そんな短時間でもその酒、めっちゃケムリ臭くなるんですよ。

 

火で炙るときは、底面の表面積が比較的大きめなシェラカップが良いですね。

これだと炎を受ける面積が広いのですぐに温まり、口が広いので飲むときにとても香りが立ちます。

ただ、炙ったシェラカップでそのまま飲むと口を火傷する可能性があるので、飲む用に別の容器に移し替えるとより安心です。

 

というわけで、あっという間に出来上がったので飲みます。

 

・・・ケムリくっさ!

いやぁ、冗談じゃなくお酒の燻製ですよね、これ。

強烈に風味がついてもともとのお酒とは別物になりますので、やっすい普通酒とかでもめちゃ楽しめますよ。

ちなみにこの日ぼくが嗜んだのは、日栄普通酒という石川県では最も安い価格帯で味も価格なりというもらっても全然嬉しくない銘柄殿堂入りみたいなやつやったんですが、この直火熱燗という秘伝の技法により完全にスコットランド産の温かいお酒に生まれ変わりました。

直火熱燗、スモーキーラヴァー(ケムリ臭愛好家)はぜひお試しください。

 

 

ところで、そもそもなんでウイスキーがケムリ臭いかについて最後に書いて置きますね。

ウイスキー穀物醸造酒を蒸留したお酒ですけども、その醸造酒を作る工程の中で原料の麦(麦芽)を乾燥させるんですよね。

その乾燥に使うのが、ピート(泥炭)という、まあ石炭の手前段階のものですね。

炭化がそんなに進んでいない石炭。

なんかスコットランドの土の中にいっぱいあるらしいです。

スコットランドって寒いイメージがあるけど、そんな気候も関係してるんじゃないかしら。

いや、これはほんまにただ僕がそういうイメージ持ってるってだけです。

 

ほんで、こいつを燃やしたその煙で麦を乾燥させるので麦がケムリ臭くなって、そのケムリ臭い麦を発酵させてお酒にするもんやから、その風味が最終的にウイスキーに出てくるという訳ですね。

 

以上、最後に差し障りない程度のうんちくでした。

これを踏まえれば、お酒を作る前か後かっていう違いがあるだけで、結局ケムリ臭いお酒はどこかでケムリで燻すんですよね。

そんなら、飲む直前にケムリで燻したほうが新鮮なケムリ臭さを楽しめてる気がしませんか。

しかも燗やし、これからの季節はさらに美味く感じると思いますよ!

 

以上。