ホームベーカリーで焼くフランスパンに関する考察
フランスパンをご存じですか。
ほとんどの人は「ああ、あの硬くてしょむないやつね」ってくらいの理解じゃないですか?
え?「しょむない」の意味がわからない?
石川県の方言なの?
※ 味が無い、とか薄いって意味です。
*
ホームベーカリーを買う前はちょこちょこ行っていた町のオシャレなパン屋には、フランスパンって売ってなくって、かわりにバゲットという同じような固いパンが売っていました。
「これって何か違うんか?」くらいにしか思ってませんでしたが、フランスパンって実は総称で、バゲットっていうのはその一種類ってことらしいですね。
フランスパンとは、小麦粉・塩・水・イーストのみで作られるフランスのパリ発祥のパンの総称。 - by Wikipedia
ちなみにフランスパンの種類については、このページがとてもわかりやすいです。
このサイトによれば、バゲットはこのように説明されています。
【バゲット(Baguette)】
長さ約70~80cm、300~400g前後のフランスパンの中では細長い部類に属するステッキパン。
表皮は塩味でパリパリとしている。
(Baguetteとは、日本語訳で「杖」の意味) - by Pasco
あと、この中だとバタールもよく聞きますね。
【バタール(Batard)】
長さは約40~50cm、300g程度の棒状のもの。 - by Pasco
さて、今回僕はこんなフランスパンについてのお勉強をしたかったわけじゃないんです。
上にも少し書きましたが、フランスパンの材料って小麦粉と塩と水とイーストのみなんですよね。
バターも砂糖も入ってないんですよ。
うちのホームベーカリー(Panasonic SD-BH1000)のマニュアルに載ってるフランスパンの材料を見てもこのとおり。
【フランスパン1斤分:918kcal】
強力粉 225g
薄力粉 25g
塩 5g
水 190g
ドライイースト 1.4g
参考までに、うちでよく焼くパン・ド・ミの材料はこれです。
【パン・ド・ミ1斤分:1,116kcal】
これ書いて気づきましたけど、スキムミルクも入ってませんね。
改めて書きます。
バターも砂糖もスキムミルクも入っていないパン、フランスパン。
これってほんまにうまいげんろか。
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パカッ。
これです。
考えても仕方ないので早速作ってみました。
この段階ではいつもの食パンと全く一緒な光景なんですが、ほんまにちゃんと出来てるんでしょうか。
指でつついてみましょう。
コンコン...(金属音)
硬っ!驚
ホームベーカリーの中に限りなく硬い炭水化物があります。
なんかの手違いでダイヤモンドができたんやないやろかと思うくらいの硬さ。
人もモノも一緒ですね。
見た目で判断しちゃいけません。
間違いなくフランスパンが出来上がったようです。
横から見た図。
いつもより少し高さが低い(膨らみが少ない)ですね。
砂糖が入ってないからでしょうか。
糖分はイーストのエサですからね。
写真ではあっさりこの場面にきましたが、実はホームベーカリーのフタを開けてからこの段階に来るまでにはいつもには無い苦労がありました。
フランスパンは通常の食パンより釜から出にくいのです。
いつもの食パンなら釜を逆さまにしてふりふりと軽く揺すればポロリとパンが出てきますが、フランスパンの場合は釜を逆さまにして机などにガンガンぶつけないと出てきません。
でもそんなことしたら机も釜も傷んじゃいますので、実際には机にタオルをひき、そこに手をクッションにして衝撃をあたえることになります。
こういう感じ(SD-BH1000のマニュアルより)
これでもそう簡単には出てきません。
バター(油分)が含まれていない分すべりにくいんでしょうか。
そうこうしてやっと出てきました。
出てきた頃には軽く息があがってました。
いつも以上に肌が綺麗ですね。
(硬いですけど)
いかにも小麦が焼きあがったような香ばしい匂いがします。
うまく言えませんが、いつもの食パンより純粋に小麦っぽい香りがします。
もうこの匂いをかいだらすぐに食べないといられません。
さっそく自慢のパン切り包丁で。
スパッ。
食べます。
はい、あーん。
がぶり。
...。
はっきり言うと、取り立てて何もいうことはありませんね。
あえて感想を言えと言われれば、素朴なパンですね、って感じでしょうか。
パン・ド・ミの場合は、焼きたてをスライスすればそのまま何も塗らずに食べても十分に美味しいのですが、フランスパンはちょっと物足りないかもしれません。
やっぱり糖分の甘みと、油分や乳成分のしっとり感やコクがないんですかね。
硬いので食べごたえはありますけど。
美味しすぎない分よけいに食欲を刺激したりしないし、おやつにするにはヘルシーでいいかも。
それじゃ、おやすみなさい。
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なんて、これで終わりませんよ。
ハムチーズトースト
いわゆる翌朝ですよね。
例のフランスパンに、マーガリン塗って少しマヨちらしてハム、チーズのせてトースターで焼いてみたんですよ。
これがね、ほんまに美味い。
激うま。
完全にお店の味。
こんなん出してるお店知りませんけど。
まぁなんせこれ、美味かったんですよ。ほんまに。
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この後もいろんなアプローチで何度か食べ、ひとつの事実に行き着きました。
フランスパンはトーストが必須。
ほんま美味しいです。
単純に、たった一度トースターで焼くという作業を挟むだけで、あの素朴な小麦粉を焼いたものが至高のパンに生まれ変わります。
ほんまにもう最高です。
トーストしたフランスパンを一度食べたあとに未トーストのフランスパンを食べると、もう靴の底みたいもんです。
いや、あれはあれでいいんですけどね。素朴で。
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ちなにみコスト面では、
(1斤単価)
強力粉 94円/225g
薄力粉 3円/25g
塩 1円/5g
水 0円/190g(ml)
ドライイースト 6円/1.4g
計 104円/1斤
パン・ド・ミやソフト食パンはおおよそ160円ほどですので、だいたい60〜70%程度のコストで作ることが出来ます。
バターが含まれていないのが大きいですね。
カロリー的にも、すでに上述のとおり918kcal/斤とパン・ド・ミ(1,116kcal/斤)と比べて20%弱低くなっています。
このカロリー、僕の体型(体重約60kg)に勘案するとジョギング25分程度に相当しますね。
1斤をいつも5切れ程度で食べますから、1枚あたりでみると5分程度ですね。
フランスパンは美味しくて安くてヘルシー。
素晴らしいですね。
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今日のまとめ。
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ホームベーカリー(Panasonic SD-BH1000)はフランスパンも焼くことができる
さあ、今日も一日がんばりましょう。