【酒評】作 玄乃智:ザクとは違うのだよ、作(ざく)なのだよ(清水清三郎商店:三重県鈴鹿市)
仕事でたまーに東京に行くことがあります。
泊付きならわりかし自由な時間もあるんですけどね、どうしても日帰りのときがあるじゃないですか。
朝早く家出て、日中めいいっぱい仕事して、かろうじて終電(新幹線)で帰ってくる、みたいな。
そういう出張って、「せっかく東京に行ったんに俺は何しとったんや」的な後悔を伴いがちなんですけど、僕は必ず「ある場所」に寄ることでそんな不完全燃焼感的やるせなさを感じずに、むしろ満足して家路につくことができております。
まあ、回りくどい言い方しましたけど、ようは東京駅で出発時間までのほんの数分の空き時間で「はせがわ酒店」に寄っているわけです。
念のために言っておくと、はせがわ酒店っていうのは東京駅構内のグランスタの中にある品揃えが良い酒屋でございます。
なんせ東京駅にあるわけですので、日本全国の絶賛江戸に売り込み中的な気合の入ったお酒がたくさん並んでおるわけでございます。
なので陳列は最低でも純米酒レベルのランクからになるんですが、なんせ品揃えが良いので4合瓶で1,000〜1,500円くらいのも結構あります。
ここを物色するだけでも相当楽しいのですが、ここで自分への土産を一本買った日にゃあその日の出張は万事成功ですよ(自分にとって)。
というわけで、前置きが長くなりましたが、江戸から一本酒を調達してきました。
作 玄乃智(ざく げんのとも)。
完全にラベル買いです。
なんせ「ざく」ですからね。
まぁ、どう見ても「ざく」じゃなくて「さく」やん、みたいな話は置いといて、こんな名前の緑の瓶があったら普通の人は買っちゃいますよね。
※同様の事例(相模屋食料株式会社HPより)
裏ラベル。
三重県鈴鹿市の清水清三郎商店株式会社という蔵元です。
初耳の蔵元でした。
社長は清水清三郎さんなんですかね。
ちなみに三重県のお酒自体がはじめてで、他の銘柄もひとつも知りません。
こんなお酒と巡り会えるのも江戸の酒屋の魅力ですね。
説明説明はいささかそっけないですが、「切れのある酸味」というのが僕好みですね。
では、さくっと感想書きます。
常温で
色についてはほぼ無色。
香りも意識しないとほとんど感じないくらい。
ちゃんと意識して匂い嗅げば、吟醸系香りがふわりと香る。
味は一言でいうと「すっきりとした上品な甘さ」。
甘い酒なんですが、するりと飲めます。
どんどん飲めます。
甘いのに全くクドくない。
前面に出てこないけど旨味もあります。
そしてさわやかな酸。
酸っぱさは全く無く、味を引き立て、整えるような効き方。
まとめ
バランス最強系の酒ですね。
バランス良くて飲みやすい。
めっちゃ飲みやすいから日本酒はじめてって人にはいいお酒なんじゃないでしょうか。
逆の視点から見ると、いわゆる日本酒っぽさ・酒臭さ・重さはあまりないので、飲ん兵衛的人種には物足りないかもしれません。
でも文句なく美味しい酒で、するするするる、気づいたらこんな減ってた!ってお酒です。
特徴としては、以前飲んだ栃木の鳳凰美田と似てる。
なぜか飲んだら酔っ払っちゃうマスカットジュース的飲料って感じですね。
さすが東京の有名酒店に並ぶ酒。
良いお酒でした。
とりあえず常温で飲んでみたら、するする進みすぎてあっという間に飲みきってしまったので、他の温度で試せなかったのが心残りといえば心残りです。
でも吟醸寄りの味と香りだったので、燗は逆にクドい方向へ行きそうだし常温が一番美味いのかもしれませんね。
価格も1升瓶で2,646円(税込)とお手頃です。
(普段飲みに使うのよりはもう少し上くらいのレベル)
とりあえず飲んだことない人は一度買っても損はしないんじゃなかなと思います。
ちなみに公式HPはこちらです。
それでは。