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書いとかないと忘れちゃう。




【酒評】遊穂 純米吟醸無ろ過生原酒:酸が絶妙な濃醇旨口酒の完成形(御祖酒造・石川県羽咋市)

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先日飲んだ「ほまれ 純米無ろ過生原酒 しぼりたて新酒」ですっかり御祖酒造が僕の中の注目蔵元に浮上。

 

 

この「ほまれ」は4号瓶ゆえあっという間に飲みきってしまったので、次も御祖酒造で、しかも折角なので別銘柄を、ということで「遊穂」を飲んでみることにした。

 

遊穂はどこで買えるのか

遊穂」という酒があるのは知ってる。
しかしあまり見かけたことがない。
少なくとも、僕がよく酒を買いに行く「やまや」や「どんたく」には売っていない。

悩んでいるうちに「悩むくらいなら直接蔵元へ買いに行けばいいか」という気になってきた。
蔵元なら選択肢が一番多いだろう。
蔵元でしか買えない商品っていうのもよくある話だ。

 

直接蔵元へ

さっそく羽咋市大町の蔵元へ足を運んだ。

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が、なんとこちらでは「ほまれ」のみ販売しており、「遊穂」は売っていないとのこと。
遊穂」は契約酒販店か酒屋にしか卸さないのだそうだ。

 

なんと、蔵元まで来て買えないなんて...!! 

まあ、売ってないというのだから仕方ない。
どこで買えるのか聞いてみると、僕の家から一番近いのはアルプラザ鹿島の中にある酒屋さんであることがわかった。

 

さっそく行ってみる。
店に並んでいたのは

の2つ。

遊穂」は全て純米規格なのだ。
ちなみに価格は一升税込みで2,400円弱と2,800円弱。

 

どちらを買うべきか

スタンダードも飲んでみたいが年末年始用の酒だし少し贅沢なやつも飲んでみたい。
店内で優柔不断モードに突入し悩んでふらふらしていると、冷蔵庫の中に「遊穂 純米吟醸無ろ過生原酒」なるものを発見。

 

こ、これは...!!

激美味だった「ほまれ」も無ろ過生原酒だった
無ろ過生原酒って普通この季節しか買えないやつやよな...。
今買わんかったら、もう来年まで買えないかも...。
よく見たら値段は通常の純吟(純米吟醸)と200円弱しか変わらない...。

買うためのいろんな理屈を頭の中でかき集める。

 

結果、これはもう買うしかないやろ!ということで決断。

2,980円(税込み)でした。 

 

ようやく我が家に迎え入れる

長い旅だった。 

この「遊穂」、こんなにも純和風な雰囲気の銘柄名なのに、由来はなんと「UFO」だそう。
UFOてアレね、宇宙人が乗ってるアレ。
というのも、蔵元がある羽咋市は「UFOの町」というキャッチフレーズでPRしているから。
由来がどうであれ、ラベルの見た目が良く味も美味ければ何も文句はない。 

 

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おなじみの、すごく手作り感がある裏ラベル。
しかし、おすすめ温度や料理など、内容はそこそこ具体的で充実している。 

ただし、冷蔵保存したものを飲むために常温環境下に出し、瓶表面が汗をかいたりすると一瞬でペロリとラベルがはがれてしまうので注意。

 

以下、ラベル記載内容について部分的に抜粋とそれに対するコメント。

原酒といってもアルコール分は17%とそこそこ。 
山田錦」は言うまでもなく酒造好適米の王様だが、「美山錦」は石川県の酒ではあまり聞かないかもしれない。
「美山錦」は長野県で多く作付される酒造好適米で、北陸で多く栽培される「五百万石」と同様、スッキリ淡麗系の味わいが特徴らしい。
ただ、「五百万石」に比べ「美山錦」はコメの味が出やすいと言われている。
この酒の絶妙な旨味は、「美山錦」だからこそ出せる味わいなのかもしれない。

 

力強さと優しさを兼ね備えた、日々のお食事と共にお召し上がり頂いてほっと一息つける日本酒

日本酒の表現として、優しさとは?(軽い自問)

 

デキャンタ等により空気に触れさせて頂きますとより味わいが深まります

横文字キタ。
デキャンタとはワインを移し替えて空気に触れさせ、熟成を促す容器のことだったか。

要は「このお酒は味の変化も楽しめますよ」ということだろう。

 

27酒造年度

え?
これって一年前に仕込んだやつなのか?
生酒でそんなのアリなのか。
火入れせずに一年熟成させてあるということだろうか。

生酒ってやつはその年にしぼったばっかりのやつを出すもんだとばかり思ってた。

日本酒っていうのは本当にいろんなものがあるなと痛感する。

 

なお、蔵元おすすめの温度は「やや冷え」程度の模様。
まあ蔵元がどのような温度をおすすめしてくれようが僕は燗スタンダードピープルなわけだが。

実際、「ほまれ 純米無ろ過生原酒 しぼりたて新酒」は蔵元は燗を奨めてなかったがぬる燗が激美味だった。
この酒も、燗によってどれだけのポテンシャルが解放されるのかとても楽しみだ。

 

さ、前置きが長くなったがようやく実飲に移ろう。
何度も言っているように百聞は一飲に如かず、百見は一飲に如かずなのだ。

 

冷酒で

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色はほぼ無し。
目を凝らすと、ほんの僅かに黄色いか?というレベル。

香りはかすかな吟醸香と蒸米香。

味は酸旨辛口。
やはり酸が特徴的だが、旨味もある。
甘味はほとんど感じず、飲みくちはとてもスッキリ。
これは日本酒度+6.5の数字どおりといったところか。
この手の酒によくある「味わいの荒さ」が全く無く、口当たりがとても滑らかなのは一年熟成していることによるものだろう。 
おかげで、この酒単品でも美味しいが食中酒としても良さそうだ。

原酒というほどの力強さは感じない。

上品で旨い酒だ。

 

ぬる燗で

吟醸香の名残がかすかに残り、ふんわりと蒸米香が漂う。

味は甘味と旨味が出てきた。
酸味ももちろんあるが、上の2つが相対的に強く出て、目立たなくなっている。

イメージとすれば、

 

(冷酒)

酸味 ーーー
甘味 
旨味  --

 ↓

(ぬる燗)

酸味 ーーーー
甘味 ----- 【←UP!!】
旨味 ----- 【←UP!!】

 

みたいな感じ。
甘旨の伸びしろが大きいのよね。

全体として見ると、「池月 うすにごり」の燗のような味がぐわーっ!と来るパワフル系ではない。

ある意味落ち着いた味だ。
まとまった味というべきか。

全体のバランスが良いのだろう。

しかし濃い。
お手本のような濃醇旨口酒だ。
これは僕が好きなつまみがいらない酒だ。 

例えるなら「池月 うすにごり」がキングスライム遊穂 純米吟醸無ろ過生原酒」ははぐれメタルだ。

遊穂」は味の密度が濃く、まとまっている。
それでいて全くクドくなく、口がベトつかない。
燗に関してはキレが良いという感じはあまりしないが、このすっきり感は絶妙な酸味によるものだろう。

文句なく美味い。
決して飲んで損しない酒だ。

 

まとめ 

「ほまれ 純米無ろ過生原酒 しぼりたて新酒」を飲んだときにはあまりの旨さに「はなマル◎」などと書いてしまったが、その経験のおかげで今回は落ち着いて「マル◎」と書かせていただく。

基本はマル◎・サンカク△・バツ×の3段階評価なのだ。

遊穂」が「ほまれ」に劣っているという訳では決してなく、マル◎以上は全て最高評価なのだ。

常温はまだ試してないが、この「遊穂 純米吟醸無ろ過生原酒」は文句なく美味く、特にぬる燗の味の完成度は恐ろしく高い。

価格は3,000円弱と晩酌酒としてはやや高めではあるが、決してガッカリはしない味だと思う。

ぜひまた飲みたい。

 

ちなみに、家帰ってきてから御祖酒造のホームページ見てみると、「無ろ過生原酒」も通年商品になっていた。

これどういうこと?
ほんまか?
生酒が通年ってありえんくないか?

これについては、あと数ヶ月してみれば答えがわかるだろう。

 

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