書いとかないと忘れちゃう。




【酒評】ほまれ 純米無ろ過生原酒 しぼりたて新酒:ぬる燗が美味すぎる酸旨辛酒(御祖酒造・石川県羽咋市)

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「ほまれ」は石川県羽咋市にある御祖(みおや)酒造が醸す、どちらかと言うと地元消費を対象とした大衆酒だ。
そもそも地元以外の店であまり見かけないが、見かけたとしても佳撰・上撰・本醸造の3銘柄ばかりですべて一升2,000円でお釣りがくる。

そんな「ほまれ」の純米、しかも無濾過生原酒ということで思わず買ってしまった。
しかも、なぜか1,080円だった。
(通常、こんなに安いわけがないと思うが)

 

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精米歩合は55%~60%と吟醸レベル。

原料米の75%が酒造好適米ではない「能登ひかり」というところが珍しい。
ただ、能登ひかりは主食用米でありながら心白が出やすいという性質があるため、その点は酒米に向いているのかもしれない。
たしか粒も大きめだったような。

アルコール濃度は17度と原酒にしては低め。

 

冷酒で

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色はほぼ無色。

吟醸香がかすかに香る。

味は酸と旨味が中心の辛口。
飲みくちはとてもスッキリしており、キレも良く、グイグイすすむ。
クドいという言葉とは無縁な味だ。

口に含んだときに感じる味(含み味)と飲み込んだ後に残る味(後味)がはっきりと違うので面白い。
含み味は前述のとおり酸旨辛だが、後味には新酒っぽいフレッシュさがある。

とりあえず、これは文句なく美味い。

 

ぬる燗で

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蔵元のおすすめ温度ではない燗を試す。
僕は新しいお酒はとにかく燗で飲んでみないと気がすまないのだ。

温めるとまずビックリ、シュワシュワと細かく発泡した。
決して温めすぎて沸騰したわけではない。
これは酒中に溶けている炭酸ガス
生原酒だからか?
はじめての現象。

吟醸香は全くなくなり、米っぽい香りがほのかに香る。

味はやはり酸、これがかなりガツンとくる。
甘味旨味もバランス良く出て、これがもう本当に美味い
全部の味の調和がとれており、ぐわーっと口中に広がる。
飲んでいるときは「こんな美味い酒ははじめてだ」と思ったほどだ。
後味の新酒っぽさは燗でも残っており、このほんの少しピリッとした感じの後口が味の締めをすっきりさせて、全く飲み飽きない。
いやあ、この燗は美味すぎる。

なんでおすすめ温度に「燗」の記載がないんだ?
御祖酒造さん、「ほまれ 純米無ろ過生原酒 しぼりたて新酒」は燗が美味いですよ!

 

まとめ

マルもマル、はなマルだ◎◎◎

冷酒から燗まで文句なしの美味さ。
とくに燗の美味さといったら筆舌に尽くし難い

こんなに幸せな気分になるお酒は久しぶりだった。
ぜひまた飲みたい。

この蔵元が醸している別銘柄の「遊穂」を飲んだときにも感じたが、ここのお酒は酸が特徴的だ。
僕の個人的な思いでは、美味い酒は酸のバランスが良い。
酸が強いとか弱いとかではなく、他の味と調和がとれている。

 

ラベルに「酸」の記載があるお酒は「大当たり」の可能性がある。
これは間違いない。

とりあえず今度また遊穂を買ってみよう。

 

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御祖酒造株式会社

〒929-1572 石川県羽咋市大町イ8
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おしまい。