福正宗 金色のしずく:コスパ良で普段飲みにぴったりのスッキリ系純米酒(福光屋・石川県金沢市)
元々は嫌い(飲まず嫌い)だったのに、今となっては僕が最も信頼を寄せる蔵元のひとつ「福光屋」が販売する、最も低俗な安いパック酒「福正宗 金色のしずく」。
純米酒 ~たっぷりとしたコクとキレ~
僕が福光屋を飲まず嫌いしていた最も大きな理由がこの金色のしずくを販売していることだった。
もっと具体的に言えば、1,000円前後という安さで紙パックの純米酒を売っているということ。
大手蔵元臭がプンプンじゃないか。
どうせ「大量生産第一」で「味」とか「造りへのこだわり」は二の次なんでしょ、的な感じがするじゃないか(偏見)。
しかし、福光屋が逆にお気に入りになってしまった今、この大衆酒を試さぬ訳にはいくまい。
ラベルを読む
お米と水だけで自然の造りをした純米酒です。
たっぷりとした旨味があり、しかもキレが良いため、どのような料理にも合います。
冷やからお燗まで、お好みの温度で美味しくお楽しみください。
この値段でもしっかり純米酒ですよ。
甘 □-□-□-□-■-□-□ 辛
やや辛口らしい。
冷やす:◯、常温:◎、お燗:◎
常温以上が良いのか。
原材料名:米、米麹
精米歩合:75%
アルコール分:14%
日本酒度:+1.0
酸度:1.7
福光屋定番のラベルのグラフによると、この酒は味が多く、香りが少ない部類のようだ。
では、飲んだ感想を
ざっくりと箇条書きする。
- 金色のしずく、別に悪くない
- 良いとは言わない
- ただ、決してまずくない
- 福光屋おなじみのスッキリ感
というわけで、非常に飲みやすい。
食中酒としては結構良いのでは。
そして、一番うまい飲み方は常温。
香りは控えめ、口に含むとほのかに味が広がり、喉ごしは軽くて後味はすっきり。
燗にすると香りはまあまあだが、冷やに比べて味が少し物足りなくなった。
ただ、この値段(1,000円前後)でこの味、純米であることを考えればコスパはとても良い。
これは家に一本常備しといたら良いと思う。
一人でだらだらと長く飲むときの後半用に。
追記:開封後2週間
開封後、けっこう味が変わった。
良くなった。
ちなみに2週間は常温保存。
最初の印象より味がしっかりになった。
燗の印象もかなり良くなり、飲み応えが出た。
すっきり感は健在で、すいすい飲める酒であるところは変わりなし。
これはもう1,000円レベルの酒じゃない。
常備酒リスト入り確定。
追記2:さらに開封後1か月
上~熱燗くらいで飲んだ。
ここまで熱くするとややアルコール的な香りが出てくる。
しかし純米だからか(?)米っぽいような甘いような香りも漂う。
ただ、香りのボリュームからすれば味はあっさりだ。
温度上昇による香りの増加に味の増加が追いついていないというか。
ただ、すっきりながら余韻に旨味はしっかり感じる。
いやー、これもう悪くないとかなじゃなくて、美味い。
ちなみに、この金色のしずくはフェルラ酸を普通の酒の2倍含んでいるらしい(当社比(笑))。
フェルラ酸でさびない体に
しかし、はっきり言ってフェルラ酸など農学部出身の僕でも聞いたことがない。
米に含まれるポリフェノールとのことだが、紙パック酒を買い求める客層の心にこのうたい文句が響くのかは謎である。
いや、逆にその客層だからこそ「よくわからんけど体に良さそう」と心理的にプラスのベクトルが働くのだろうか。
ま、どっちでもいいが。
ポリ好きな人はワイン飲んだらいいと思うけどね。
赤ワイン。
ただ、個人的には飲酒が体に及ぼす弊害とフェルラ酸の摂取による恩恵のどちらが大きいのかってちょっと気になる。
ほんと、酔っ払いってめんどくさいこと言い出すよね、と今自分で思う。
おしまい。
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